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台湾修学旅行

台湾に修学旅行に行くことなったらゼヒ知っておいていただきたいことを台湾現地からお伝えしていきます

忘れ物

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 今回は忘れ物の話です。
 もうこれはどんな団体さんでも回避不可能と言ってよいくらい起きるトラブルです。若くて海外初めてだからとか高齢で記憶力が衰えているからとか関係なく誰の身にも起き得ます。
 ただこれだけは覚えていてほしいのです。バスやレストランの席をたつ瞬間、ホテルの部屋を出る時。ちょっと後ろを振り返ってチェックする。数秒でできることです。そしてそれを怠り、忘れ物した時の対応にかかる時間と労力と費用を天秤にかけてみてください。

 ある方は台北でパスポートを高雄のホテルに忘れたことに気が付きました。翌朝帰国です。この日も見学の日程です。あいにくこの日高雄から北上してくる他団体もいません。仕方なく内勤スタッフが高鉄(台湾新幹線)で往復し、高雄のホテルに出向き、ほとんど一日がかりで取り戻しました。もちろん紛失した御本人には数万円の実費請求をさせていただきました。

 ホテルの部屋で多い忘れ物はセーフティボックスの中の貴重品、デスク下の充電器、クローゼットの上着といったものです。修学旅行で何百人という団体にもなれば、毎回10件ほどの忘れ物が出てきます。これがもし台南のホテルで、すでにみな台北にいる場合はどうなるのでしょう?間に合うようなら特急便で台北の宿所まで着払いで送ってもらい、忘れ物の持ち主同士で費用分担します。中には学校さんが予備費から支払う場合、添乗員が一時立替し、セカンドインボイスで帰国後学校さん側に追加請求という場合もあるようです。こういうと忘れ物をしなかった生徒さんなんかは面白くないですね。自分は何ら過失がないのにウッカリ者のクラスメートのために余分な費用が使われてしまうのですから。

 特に気をつけていただきたいのが最終日のチェックアウト後のホテルの忘れ物。あるいは最後の食事会場の忘れ物。これは気づいても手遅れということがほとんどです。日本まで送ってくれというリクエストもあるにはありますが、空運の費用(プラス台湾国内の運送費用)をお伝えしますと、忘れ物がシャツとか買ったお土産、充電ケーブルなどの場合、諦める場合がほとんどです。その物の値段を明らかに上回る輸送費など誰も払わないからです。しかしそうもいかない物品もあります。制服、財布、デジタルカメラスマートフォンといったものです。時間も費用もかかりますが国際輸送してもらうしかありません。そしてデジタル製品はリチウム電池内蔵の場合、国際輸送不可ということもあります。同じ添乗員さんがまた近々台湾に添乗で来てくれるならその方に託すのが現実的です。

グループ分け

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 故宮博物院などの施設の見学は基本、クラスあるいは号車ごととなることがほとんどです。そして日程の中ではさらに細分化されたグループ行動も少なくありません。体験コースに分かれる時、B&Sで自由行動する時だけのグループもあるでしょう。
 
 現地校訪問でも10人前後の班に分かれて体験授業に参加したり、ディスカッション、共同創作、部活交流などもあります。その際混乱するのが、日本語と台湾国語では「組」と「班」があべこべになることです。日本語で「3年A組の2班」は台湾国語で「3年A班2組」です。到着すると現地校のボランティアの生徒がプラカードを持って先導してくれるのですが、周知が徹底していないと生徒がどこに着いて行ったらいいのかわからなくなります。できれば日本語表記そのままで、現地校生徒に「班は組の下」と周知してもらっていたほうがスムーズでしょう。

 グループ分けはまだあります。九份などでの自由行動時は単独行動禁止の学校さんが圧倒的多数です。それから十分での天灯上げは基本4人一組(書く面が4面あるため)です。こういったグループ分けは事前に決めておいてしおりに記載していたほうが混乱せずにすみます。

 ただバスやレストランの席割は事前に決めておいても、バスシートの配列がバスごとに違ったり、レストランのテーブル人数が店ごとに違ってくるので(これを統一しろと台湾側に要求するのは無理難題レベルです)、このへんは臨機応変に座っていただくしかありません。

 最近、一番現地スタッフ(レストラン、ガイド、受け入れ施設スタッフなど)を悩ませ苛つかせているのが「仲良しグループ」問題です(特に女子)。これはどういうことかというと、普段の教室内の仲良しのグループが、台湾のレストランや見学施設などで席が離れ離れにならざるを得なくなった状況下で、むくれるぐらいならまだしも、泣いて抗議したり、8人掛けの席に無理やり9人、10人と割り込んだりしてくる珍現象(ほぼ女子のみ)です。台湾ではまず見られないこうした事象に現地人たちは大変困惑します。中には「社交性ゼロか!」「閉鎖社会の皺寄せだね」と揶揄されることも。円卓料理は店側が隣とくっつき過ぎないよう快適な食事ができるようテーブルごとに定員を設定しています。そこへ急に人数が変わると、椅子を入れ、食器を追加し、豚の角煮など個数が決まっている料理はテーブル間で数量調整するなど手間がかかってしまいます。そこまでやらせて仲良しグループ同士で盛り上がりたいのでしょうか。食事の一時間だけですら普段話したことのないクラスメートが隣に座ることが耐えられないのでしょうか。こうした傾向は私立の学校さんに比較的多く見られるということです。先生方もこうしたクラスメート同士の個人的人間関係には頭を悩まされることと思いますが、公式行事である修学旅行を完遂させるためにも、最適なグループ分けか、私より公を優先させるよう生徒を説得するかしておいていただけましたら、現地スタッフとして幸いでございます。

先生の下見

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 修学旅行に先立って学校の先生の代表が事前に台湾に下見に来られることがほとんどです。

 たいてい修学旅行の責任担当者となった先生が修学旅行の前年あるいは秋に実施なら春頃にこれまた旅行社の担当を伴って台湾にやってきます。そして日程は実際の本隊よりも圧縮して、現地ガイド(本隊のチーフガイドになることが多いが必ずしも同じではない)も同行して宿泊先、食事場所はもちろん、観光地や訪問先の学校までほぼ全て訪れます。ホテルでは生徒が泊まるのと同等ルームに宿泊し、レストランでは当日と同じメニューを食し、観光地も実際に入場し歩いてみます。現地の学校では受け入れ担当者とも面会し、当日の流れなど打ち合わせも。

 やはり書面や映像で見るより、実際に見て歩いて食べてみないとわからないことも多いです。なにか不都合な点が見つかればすぐに指摘し、改善や代替案を頼めばいいのです。曖昧なままは当日思わぬトラブルに発展することもありますから、どんな些細なことも詳しく説明してもらい納得されたほうがいいです。どんなことでも当日の変更や追加には多くの困難が伴います。事前におっしゃっていただけたほうが台湾サイドとしてもありがたいのです。

 実際に先生が下見されても掴みにくいことがあります。時間配分です。生徒さんは大勢しかも観光バスで見学・移動します。しかし下見の時は少数しかもセダン、ワゴンで移動です。特に日本の子供は動きが緩慢でバスの乗降、施設の入出場には通常以上に時間がかかるものです。それから本隊が予定しているシーズンが混むかどうか、土日祝祭日かどうか、その時期の営業時間なども確認された上で実際の日程を組まれたほうがいいです。

観光バスとドライバーと荷物車

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 修学旅行の主要な移動手段は観光バスで台湾国語では「遊覧車」(ヨウランチャー)といいます。マイクロバスタイプなら「中巴」(ジョンバー)、大型観光バスタイプなら「大巴」(ダーバー)ともいいます。

 基本は42人以下なら大型観光バスで、10数人ならマイクロバス、学校さんによっては途中で体験コース別に分乗する時だけマイクロバス利用というのもあります。最前列のシートは急ブレーキ時など比較的危険ということで座らないほうがいいです。進行方向右側最前列のマイク真下のシートは基本的にガイドと添乗員席です。ここに座りたがる先生や生徒が多いですが、ここを占拠されてしまうとガイドは運転手隣りに座るしかなくなり、皆さんの顔を見ながら案内してくれなくなります。え?ガイドはずっと最前列の通路で後ろ向きに立って案内するんだから席など要らないだろって?ここは日本ではありません。法律上、ガイドもシートベルトを締める義務があります。事故も日本より多いのでシートベルトは必要不可欠です。郊外や都市間移動は1時間以上のことも。ガイドだって休息は必要です。

 一番大変で休息も必要なのはドライバーさんです。「司機」(スージー)といい、日本語から転化した「運将/運匠」(ウンチャン)という呼称もありますが、日本のように差別語的ニュアンスはありません。とはいえ呼ぶ時は「司機先生」(スージーシェンション)のほうが礼儀正しい感じです。彼らはかなりの過密シフトが組まれており、疲労から来る事故も報道されることがあります。ひどい場合は鬱、睡眠障害、さらには過労死を招くこともある大変な仕事です。そこで近年、政府やバス会社は一日の労働時間を12時間以内に(会社によっては10時間以内)抑えようとしています。短い滞在期間にあれもこれもと日程を詰め込みたい気持ちもわかりますが、ドライバーさんの健康と安全運転のためにも、夜遅い帰着になるようなスケジュールは極力避ける趨勢になってきています。

 あくまで全体的に見た日本との比較ですが、台湾のドライバーさんは気性が激しく、思ったことをストレートに口にする方が多いと思います。ですから長時間運転や日程の変更に対して大声で抗議したり、仲間ドライバーに無線で愚痴ったりもします。それでも任務に忠実にあの台湾の道路をぶつかることなくスイスイと運転して切り抜ける技量は大したものではないでしょうか。彼らが休めるのは皆さんが見学や食事で降りた時のみ。くれぐれも忘れ物だとか買い物だとかで彼らを叩き起こし、情緒不安定にさせないであげてほしいものです。

 車内をゴミだらけにしたり汚すこともドライバーさんが車庫に戻ってから残業を強いる一因となります。きれいに使って、飲食は控え(タピオカミルクティーをこぼすなどは言語道断)、ゴミは持って降りましょう。
 
 修学旅行受け入れの経験が浅い現地旅行会社やバス会社は、1台40人くらいになるとスーツケースが全部収まらないことを認識 していません。別途トラックを手配して荷物車として動かすことになります。さもなければ積み込みがいつまで経っても終わらず、通路にスーツケースが積まれる違法状態になりかねません。荷物車がある場合、通常は空港で、各号車10人ずつくらい荷物をトラックに積み込み、ホテルに先行させ、生徒がホテルに着いたらロビーで受け取りとなります。

故宮博物院

 台北の国立故宮博物院は修学旅行においても定番中の定番見学コースとなっています。

 中国の歴代王朝が受け継いできた皇帝たちの秘宝の数々を自分の目で見られるというのは貴重な体験でしょう。

 しかしながら現地斡旋の側から敢えて申しますれば、故宮博物院は高校生が絶対に行くべき場所かどうかは疑問の残るところでもあります。「他の学校も他のツアーも来てるから」「とりあえず遊びじゃなくて文化的な見学施設なので」「台湾のことを深く学ばせたいし」そういった理由で高校生を連れて来られる学校さんもあります。文化的な見学施設は美術館も観光工場も今各地で雨後の筍状態の○○文創園区もあります。台湾のことを学ばせたかったら、国立台湾博物館、228和平記念館、国立自然科学博物館(台中)、国立台湾歴史博物館(台南)など良い他施設もいっぱいあります。故宮博物院にあるのは台湾のものではなく中国大陸のものばかりです。北京にある故宮博物院台北にもある歴史背景は館内どこを見てもわかりません。ガイドさんが解説してくれることではじめてわかるのです。

 それでもどうしても故宮博物院に行くと決められたら、事前に生徒に周知しておくことがあります。見学当日は制服着用。カバンはリュック、デイパック類を避ける。飲食物はすべて持ち込み禁止。ですからリュックやペットボトル等はすべてバス内に置くこと。館内ではヘッドホンと受信機(レシーバー)を使用するが、紛失・損壊は賠償責任があること、必ずガイドさん(よそのガイドでなく同じ号車のガイド。先生、添乗員も原則不可)に返却すること、撮影は大部分可能だがフラッシュと自撮り棒は使用しない、館内では騒がない、警告を受けても騒ぐ団体は退去を命じられる、といったルールです。

 故宮博物院に見学に行きたいならば最低限こうしたルールを守れる学校さんに限られます。そもそも常識的な行動ができないなら海外に出るべきではありません。今や高校の授業で世界史を履修してから来る生徒さんは非常に少数です。まして中国史に興味ある生徒も少ないでしょう。三国時代はゲーム等を通じて興味ある生徒も少なくないようですが、三国時代の展示品がこれまた少数過ぎてあまり意味がありません。

 生徒さんの興味がない、プラス放任主義の学校さんが故宮博物院に来られると、現地ガイドには悲劇となります。とあるガイドさんに聞いた話では、「開始早々みなヘッドホンを下ろしおしゃべりしてた」「解説中ガイドに着いて来ずバラバラに行動、迷子になる生徒も」「解説が終わりヘッドホンと受信機回収の際、数が揃わない」といったことが複数起こったことがあるようです。ひどいところではヘッドホン受信機回収で数が合わず、生徒が数人いなくなっており、先生に聞いてみてもニヤニヤしながら「途中でバックレちゃった。我々にも手が負えなくてねー」とのたまい、ガイドさんは入り口で30数組の重いヘッドホンと受信機を抱えながら行方不明生徒を探し(全部の数が揃わないと返却完了とならないため)、やっと見つけたと思ったら「添乗員がいたから返しといた!」と言われ、その添乗員に聞いても「なんかよくわかんないけど博物館の人に渡しといたよ♪」とガイドさんにとって地雷発言連発。ガイドさんは怒り心頭で「もう愛知県からの修学旅行は受けない!」と、話を聞いている時も怒りがこみ上げて来たようで、忘れられない悲しい思い出となってしまったようです。

 私自身の修学旅行を振り返ってみますとベタな観光地めぐりで渓谷のなんとか岩とか古刹の謂れとか正直どうでもよかったです。ほとんど記憶にも残っていません。でも今なら自然の中やお寺には大いに興味を持つようになりました。ですから故宮博物院の解説が高校生に退屈なのも理解できますが、退屈だから騒いでいいとかガイドに出身地ぐるみで恨まれるようなことになっていいはずがありません。ほとんどの学校さんが解説の後は自由時間を設けています。それまではどうか我慢してください。一時間もないはずです。ミュージアムショップで買い物もいいでしょう。カフェでタピオカミルクティーを飲むのもいいですね。屋外テラスで各自写真を撮る人もいます。書道部は書のコーナー、美術部
は絵画コーナーを巡る人もいます。一旦外に出てまた中に入りたい人は出口にいるスタッフにリエントリースタンプを手に押してもらいましょう。

修学旅行が終わるとき

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 ここでいう「終わる」とは、全日程を無事に終了し、帰国して自宅に帰ることではありません。

 良からぬ事態で旅行そのものが強制終了、おじゃん、台無しになるということです。
 
 まず、病気やケガ。出発前にインフルエンザでキャンセルになる生徒はよくいますが、台湾に着いてから複数生徒が発熱でダウン、インフル疑いともなりますと、隔離や班の再編成、出し物の代役などで他の生徒にも大いに影響します。火傷も意外と多いです。レストランではほとんど冷水は出ず熱いお茶が出ます。各テーブルにガラスやステンレスのティーポットが置いてあり、各自注ぐようになっています。テーブルは上部が回転するようになっているので馴れないのと、同級生同士ふざけ合うのでお茶をこぼし、太腿などに火傷を負うわけです。ケガは浮ついて行動せず、日本ではなく外国にいるという緊張感を持って万事慎重になっていれば防げるものも多いのです。病気に関しては栄養と睡眠をしっかり取って自己管理も大事です。

 しかしここで強調したいのは、一部の生徒の悪事によって、ホテルなどが出入り禁止になり、学校だけでなく都道府県単位の名誉を損ねる事態も出ていることです。聞いた話ではコンビニでの万引き、バイク窃盗で警察沙汰になり、全体の修学旅行がジ・エンドとなってしまうことが実際に起きているということです。高校生だから、或いは日本人だからという情状酌量は一切通用せず、通常の犯罪行為として通報、逮捕、立件されてしまったケースがありました。こういった事態では修学旅行に同行していなかった学校長、保護者も急遽日本から来台し、被害者への謝罪、弁護士を通じて示談にしてもらうよう要請という方向になったそうですが、恐ろしいほどの費用、関係者への迷惑がかかっていますね。他のクラスメートへの影響も甚大で、お通夜みたいなムードで残り日程を消化していくしかなかったといいます。もうその学校は台湾に来ることもないでしょう。生徒、教職員、添乗員、現地スタッフ…みな後味が悪い思いをするわけです。

 これから修学旅行に来られる方は、万引きから得られるささやかなスリルと仲間からの評価、それらと事が露見した場合引き起こされる結果を天秤にかけ、どうぞ自重をお願いします。台湾の町中には至るところ監視カメラがあります。そして学生であろうが小さな盗みであろうが毅然と許し置かぬ人々もいるのです。この正義感が台湾に残る「日本精神(リップンチェンシン)」から来るものだとしたら、それによって日本の生徒が捕まるのだとしたら何という皮肉でしょう。


 

故宮博物院の学生割引の条件

 朝令暮改の国立故宮博物院

 日本の修学旅行生はほとんどが高校生です。新制度として外国人であっても、18歳以下なら学生優恵「学生優待」が受けられます。日本の旅行会社はこの優待を前提として予算を組んでるはずですので、この優待が受けられないと厄介です。優待の条件は1,全員制服着用の場合、生年月日の載った名簿を入場券購入窓口にて提示すれば適用。2,私服の場合、”全員のパスポートの生年月日を確認”してから適用。…となっております。大団体で2はもはやありえませんね。ここは素直に制服で見学するか、素直に大人料金で入場するかのどちらかですね。

台湾におけるマナー【エスカレーターとエレベーター編】

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 エスカレーターは台湾国語では「電扶梯」(ディエンフーティー)といい、MRT、在来線、高速鉄道の駅、デパートなどに設置されています。日本の方がよくやらかすのが、エスカレーターの左側に立ってしまうこと。台湾は基本右側に立ち左側を空ける慣習ですから関西から来られた方はマナーが守られているがそれ以外の日本人は非常識人扱いされるわけです。もちろん日本では片方寄りによってエスカレーターの損耗につながるから両側均等に乗ろうと呼びかけられていて、台湾でも両側乗りが推奨されてはいるのですが…。一度身についた習慣からは抜け出せず、うっかり左側に立とうものなら後ろから「日本人か中国人か知らんがどいてくれ!」と怒号が飛んでくるので、やっぱり右側に立つしかなくなります。

 エレベーターは台湾国語では「電梯」(ディエンティー)といい、修学旅行生の皆さんはホテルでは電梯のお世話になることでしょう。国立故宮博物院や各レストランにもエレベーターは設置されていますが、低層階へ上がるには大人数ということもあって、現実的に若者には階段移動していただくことが圧倒的に多いです。学校訪問では6階の講堂まで階段ということもあります。学校内ではエレベーターは教職員と障碍を持った生徒専用のもので、使用許可を受けた者のみエレベーター用ICカードが支給されています。

 ホテルではセキュリティのために、ホテルのルームカードをエレベーター内のカードリーダーに通してはじめて階数ボタンが押せるようになっているホテルもあります。ですのでホテルにチェックインし、部屋に上がる際はカードを手に持っておきましょう。相部屋の人とはなるべく同じエレベーターで行ったほうがいいです。レストランやフロント階に降りる時はカードは不要なことがほとんどです。

 ホテルではエレベーターの数が足りず、ロビーが修学旅行生であふれてしまうこともあります。ホテルスタッフや添乗員、ガイドらが誘導することがありますので、例えば効率よくするため男女別にエレベーターを分ける、階数ごとに分ける、従業員用エレベーターに振り分けるといった指示に従って速やかに部屋に入って休んでください。その際一般の宿泊客がエレベーターを利用する際は多くの場合、ホテルスタッフが優先的に案内します。くれぐれも割り込みだ!などと野次を飛ばさないようにしてください。一般客にとって見ればちょっと外のコンビニに行って戻ってみたらエレベーターには300人の日本の高校生が並んでいる、災難でしかありません。せっかち且つ体力ある男子はよく勝手にスーツケースを担いで階段を登り出す人もいます。でも待ってください。その階段が客室階まで通じていない場合もあります。非常階段は真っ暗なことも、備品が置いてあることも、或いは客室階の扉が施錠されていることもあります。階段をどうしても使いたい場合は必ず添乗員やガイドを通じてホテルに確認・許可を取ってからにしてください。

 ホテルによっては、20階以上の高層階に部屋があり、エレベーター数に限りがあると、食事やチェックアウトの為、下に降りるだけでも多くの時間を費やし、出発時間に影響することが非常に多いです。特に朝食前後は他団体も頻繁にエレベーターを使います。ですから修学旅行生には早目の行動と、できるかぎりエレベーターでは詰めて乗っていただけるようお願いいたします。