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台湾修学旅行

台湾に修学旅行に行くことなったらゼヒ知っておいていただきたいことを台湾現地からお伝えしていきます

故宮博物院

 台北の国立故宮博物院は修学旅行においても定番中の定番見学コースとなっています。

 中国の歴代王朝が受け継いできた皇帝たちの秘宝の数々を自分の目で見られるというのは貴重な体験でしょう。

 しかしながら現地斡旋の側から敢えて申しますれば、故宮博物院は高校生が絶対に行くべき場所かどうかは疑問の残るところでもあります。「他の学校も他のツアーも来てるから」「とりあえず遊びじゃなくて文化的な見学施設なので」「台湾のことを深く学ばせたいし」そういった理由で高校生を連れて来られる学校さんもあります。文化的な見学施設は美術館も観光工場も今各地で雨後の筍状態の○○文創園区もあります。台湾のことを学ばせたかったら、国立台湾博物館、228和平記念館、国立自然科学博物館(台中)、国立台湾歴史博物館(台南)など良い他施設もいっぱいあります。故宮博物院にあるのは台湾のものではなく中国大陸のものばかりです。北京にある故宮博物院台北にもある歴史背景は館内どこを見てもわかりません。ガイドさんが解説してくれることではじめてわかるのです。

 それでもどうしても故宮博物院に行くと決められたら、事前に生徒に周知しておくことがあります。見学当日は制服着用。カバンはリュック、デイパック類を避ける。飲食物はすべて持ち込み禁止。ですからリュックやペットボトル等はすべてバス内に置くこと。館内ではヘッドホンと受信機(レシーバー)を使用するが、紛失・損壊は賠償責任があること、必ずガイドさん(よそのガイドでなく同じ号車のガイド。先生、添乗員も原則不可)に返却すること、撮影は大部分可能だがフラッシュと自撮り棒は使用しない、館内では騒がない、警告を受けても騒ぐ団体は退去を命じられる、といったルールです。

 故宮博物院に見学に行きたいならば最低限こうしたルールを守れる学校さんに限られます。そもそも常識的な行動ができないなら海外に出るべきではありません。今や高校の授業で世界史を履修してから来る生徒さんは非常に少数です。まして中国史に興味ある生徒も少ないでしょう。三国時代はゲーム等を通じて興味ある生徒も少なくないようですが、三国時代の展示品がこれまた少数過ぎてあまり意味がありません。

 生徒さんの興味がない、プラス放任主義の学校さんが故宮博物院に来られると、現地ガイドには悲劇となります。とあるガイドさんに聞いた話では、「開始早々みなヘッドホンを下ろしおしゃべりしてた」「解説中ガイドに着いて来ずバラバラに行動、迷子になる生徒も」「解説が終わりヘッドホンと受信機回収の際、数が揃わない」といったことが複数起こったことがあるようです。ひどいところではヘッドホン受信機回収で数が合わず、生徒が数人いなくなっており、先生に聞いてみてもニヤニヤしながら「途中でバックレちゃった。我々にも手が負えなくてねー」とのたまい、ガイドさんは入り口で30数組の重いヘッドホンと受信機を抱えながら行方不明生徒を探し(全部の数が揃わないと返却完了とならないため)、やっと見つけたと思ったら「添乗員がいたから返しといた!」と言われ、その添乗員に聞いても「なんかよくわかんないけど博物館の人に渡しといたよ♪」とガイドさんにとって地雷発言連発。ガイドさんは怒り心頭で「もう愛知県からの修学旅行は受けない!」と、話を聞いている時も怒りがこみ上げて来たようで、忘れられない悲しい思い出となってしまったようです。

 私自身の修学旅行を振り返ってみますとベタな観光地めぐりで渓谷のなんとか岩とか古刹の謂れとか正直どうでもよかったです。ほとんど記憶にも残っていません。でも今なら自然の中やお寺には大いに興味を持つようになりました。ですから故宮博物院の解説が高校生に退屈なのも理解できますが、退屈だから騒いでいいとかガイドに出身地ぐるみで恨まれるようなことになっていいはずがありません。ほとんどの学校さんが解説の後は自由時間を設けています。それまではどうか我慢してください。一時間もないはずです。ミュージアムショップで買い物もいいでしょう。カフェでタピオカミルクティーを飲むのもいいですね。屋外テラスで各自写真を撮る人もいます。書道部は書のコーナー、美術部
は絵画コーナーを巡る人もいます。一旦外に出てまた中に入りたい人は出口にいるスタッフにリエントリースタンプを手に押してもらいましょう。