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台湾修学旅行

台湾に修学旅行に行くことなったらゼヒ知っておいていただきたいことを台湾現地からお伝えしていきます

通貨と両替

 台湾の通貨は台湾の文書においては新台幣(シンタイビー)と表記することが多いですが、実に様々な書き方、言い方があります。お札には「圓(ユエン)」という「円」の旧漢字が印刷されていますが、元々東アジア諸国は「圓」が使われていたのです。人民元香港ドルマカオパタカもこう書き、韓国のウォンも「圓」の字の韓国語読みです。ただ画数が多く書くのが面倒くさいので同音の「元(ユエン)」が使われるようになりました。日本人は「台湾元」「台湾ドル」と呼ぶことが多いようですね。
 英語では「New Taiwan dollar」の略で「NT$」と書かれるのが普通ですが、いつ「ニュー」になったかというと、戦後のことなのでかなり古い「ニュー」ですね。もう台湾人も面倒になったのか「台幣」としか書かないこともあるし、値札もただの「$」マークしかないこともあります。されど米ドルでも香港ドルでもないので、心配無用です。
 紙幣の種類は2000、1000、500、200、100の5種類。ただ2000と200の紙幣はほとんど出回っていません。硬貨は50、20、10、5、1とありますが、抗日英雄モナルーダオの描かれた20元コインはめっきり見なくなりました。10元コインに関してはすごく混乱し易いのですが、基本は6年前から発行されている孫文が肖像のコインとそれ以前の蒋介石肖像の2種類。それ以外に記念コインが複数あって、孫文の別バージョンと蒋渭水蒋経国のものまでありますが、材質、色、大きさは同じなので、自販機券売機は問題なく使えます。
 修学旅行生の中には家族がずっと以前に台湾に来られた時に残った台湾元を持ってくる子がいます。蒋介石肖像の500元札1000元札、孫文の50元札を見せられてこちらもつい懐かしい気持ちになることも。しかし残念ながら町中ではそのまま使えないんですね。台湾銀行で現行紙幣に変える必要があります。プレミアもさほど付かないので古銭・古物商まで出向く交通費も出ないでしょう(清国時代の通貨なら別ですが)。もし日程表に金龍という綜合土産店が入っていたら、そこでは旧紙幣でもその額面通り使うことができます。

 両替はなぜか日本を発つ前に旅行会社で両替を頼む学校・生徒が多くなっています。「ガイドのモチベーションに影響するもの」でも触れましたが、事前の両替の有無は台湾のガイドのモチベーションをものすごく左右します。日本で多額の両替を済まして来ている学校さんに対してはすでに到着空港ではガイドのやる気半減でしょう。日本で変えたらレートは最悪です。手数料も高いです。第一台湾の空港に着いてからガイドに会うまで台湾元を使う機会はゼロです。台湾の旅行会社に委託して現地ガイドがバス内で両替というように手配すれば台湾のホテルよりも良いレートで手早く換金できます。また、行程途中で台湾元が足りなくなってもガイドに声をかければすぐに替えてくれます。少額でも対応してくれることも多いです。みんな日本で替えたのは何だったんだと思われるはずです。

覚えておこう、ここは昔日本だったことを

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 台湾は70年ほど前は日本領だったと、台湾に修学旅行に来るからには当然知っているはずだと思いきや、先生が教えても聞いてないか、聞いても覚えていないか、台湾に来てKY発言する生徒続出です。「お〜日本みてえな家があるぞ(日本統治時代に日本人が日本人のために建てたのだからもちろん)」、「おいおい、このおじいさん日本語バリウメェ!(そのおじいさんは72年前は「日本人」だったんだから日本語話せることに何の不自然がある?)」。そういう発言を聞いて現地の日本語わかる人が気分を害さないか、対日感情に影響しないかハラハラすることもあります。

 町中には総統府(旧総督府)、監察院(旧台北州庁舎)といった日本統治時代に建てられた建築物が今も現役で使われています。韓国にあった総督府は跡形もなく壊されたが、台湾のはなぜ今も国のトップの機関として使われているか、それは親日から来るのか、日本人の設計に信頼を置いているからなのか、単に新しいの作るの勿体無いしまだ使える建物あるから使えばいいじゃんというしたたかさからなのか考えさせられることが多いです。
 
 日本統治時代に日本人として生まれ育ち、日本語がネイティブに話せる世代もかなり少なくなってしまいました。しかし、その下の世代はビジネスのため、観光のため、あるいは単純に趣味のために日本語を学びある程度聞いてわかり、話せる人が一定数います。ですから高校生諸君には町中で「台湾の町臭え」とか「この店きったねえ」だの「こいつらルール守れないで馬鹿じゃん」とか悪口を大声で言ってほしくないのです。そう思うこと、仲間内で内緒話でするなら構いません。台湾人自身もそう思っていることもありますから。

ドレスコード

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 通勤でスーツ姿が少数で、銀行や役所でもかなり前からスーパークールビズな台湾ではあまり身なりに気を遣わなくてもいい所ではあります。
 されど、日本人代表として節度をもった身だしなみと言動は維持していただきたいものです。学校訪問や企業訪問、講演参加は制服姿が望ましいですし、忠烈祠の拝殿では脱帽、脱サングラスが礼儀です。 
 日本の高校生は風邪予防なのか恥ずかしがりなのかずっとマスクを着けている生徒がいますが、風邪でないなら外しておきましょう。マスクは「アナタと距離置きたい」感がありありと出てしまいますので。
 ホテルでは、他の国のお客さんも泊まっています。ホテルの廊下は外の往来と同じです。パジャマや下着姿、上半身裸で外を出歩くなどもってのほかです。特に紙スリッパでロビーや朝食会場に現れる高校生もいますが、大変みっともないことです。

現地ガイドのモチベーションに影響するもの

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 この修学旅行ハイシーズン、受け手となる現地旅行社のスタッフ、ガイド 、ドライバーみな疲労しています。そりゃあそうでしょう。ガイドさんたちなどは平均4日間、朝早くから夜遅くまで、言うこと聞かない生徒相手に大声張り上げて、ずっと家に帰れず外泊連続、一つの学校を終わったらそのまま空港で次の学校を受けることもあるそうですから疲れないはずがありません。

 台湾のガイドの仕事は大変薄給で、割に合わないきつい仕事を嫌い、若いガイドが大量に辞めたことも数年前にありました。以前は高校生に近い年齢の20代〜30代前半の若いガイドが修学旅行応対の中心を担っていましたが、いくら若く体力があるといっても安い給料でこき使い、添乗員や教師たちの無理難題を押し付けられたら若くないガイドでもそりゃアウトバウンド(台湾人客を日本に連れていく添乗業務)に鞍替えしたくなります。ということで今は修学旅行でも60歳以上のガイドが付くのは普通です。体力的にきつくなるのも道理です。

 きつい仕事でも励みになることがあります。そのツアーでの両替やショッピングです。不当に安い賃金を補うもの。これらがガイドの成績として評価の対象となる。いわばガイドのモチベーションの源泉です。最近はこれを日本の送客旅行会社が事前両替(台湾での両替レートよりずっと悪い)したり、出発前にお土産のカタログ販売を行ったりするなど、ガイドにとって恩恵がない団体も見受けられます。これで出迎えの空港から仏頂面するな、愛想よく笑えと言われても乾いた笑いしか出ないと言います。「生徒に現地両替を体験させたい」といって、空港や町中銀行で生徒をウジャウジャ並ばせ、ほかの観光客や利用者の顰蹙を買い、ドライバーも待たせ、ガイドには時間の浪費と利益の奪取という二重苦を味わわせるといったケースもありました。また、日程に「ショッピング」とあっても現地旅行社指定店舗でなく地元スーパーにガイドに案内させるという全く空気の読めない、現地ガイドの感情を踏みにじる団体も実際にありました。せっかく旅行社指定のお店に行っても、「ここは高いからお土産は自由行動のときに買えー」と大声で邪魔する先生がいました。そういうお店でもパイナップルケーキは有名ホテルのよりも安いですし、夜市の廉価な紛い物より来歴のしっかりした物を日本語でちゃんと説明した上でお買い求めいただけます。また(回転率がいいため)常に新しい物を買えるので、賞味期限切れをつかまされることもありません。

 ガイドも人間です。いくらサービス業といっても、相手がお客様だとしても、人間はひどいことをする相手、利益をもたらさず不利益ばかり与える相手に笑顔を振りまき、一生懸命奉仕しようと思うでしょうか?ガイドがずっと不機嫌で愛想がない。バスでろくに案内もしてくれない。時間に異常に厳しく1分の遅刻も許されない。生徒が交通量が多い道路の横断歩道を渡ろうとしてるのに誘導もしてくれない。こういうことが起きているなら、ガイド個人の素質素養、旅行社の管理体制を疑う前に、あなたの学校のスケジュールがガイドにひどい仕打ちとなっていないか検討してみる必要があると思います。

 ガイドだってちゃんと常識的な収益さえ確保されていたら、気持ちに余裕を持ってにこやかに生徒たちに応対できます。元々「民間外交官」を自負するガイドたちです。日本の未来を担う若者に台湾のことを知っていただくために熱弁をふるってくれることでしょう。それでも生徒たちがずっとおしゃべりばかりでガイドの話を聞いてなかったりすれば、それもまたモチベーションを引き下げる要因となります。生徒、先生、添乗員そして現地スタッフみんなで思い出深い素晴らしい修学旅行を作っていきましょう。
 
 

持ち物【行動中の持ち物編】

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 飛行機に乗って台湾の空港に着いて、後は大型バスでホテルまでは大きなスーツケースやスポーツバッグはバスのトランクに預けるか、トラックで別送することになります。一度トランクに入れてしまったものは同じバスに乗っているといっても取り出すことはできないと思ってください。途中観光で使うもの、バス車内で使うものはあらかじめ分けておく必要があります。
 観光で使うものといえば、カメラ、傘、飲み物などでしょうか。スマホやモバイルバッテリーはスーツケースに入れられないので手荷物に入っているはず。飲み物は液体ということでスーツケースなので着いてから取り出す必要があります。台湾の空港で税関を出て、ガイドたちと合流しても少し時間があるはずですから、必要があるものは取り出しておきましょう。夏期以外は冷えることも多いので上着も要ります。初日に故宮博物院見学が入っているなら荷物はリュックサックタイプの両肩で背負うものは止めて、片掛けのもの。どうしてもなければ故宮博物院の時だけ貴重品は持っていけるよう、ポーチとか巾着袋があるといいです。あとコンビニやスーパーではレジ袋が有料ですから、ビニール袋やエコバックが入っていると便利です。衛生に気を使う方ならウエットティッシュやアルコールスプレーもあると食事のたびに手をきれいにできて安心です。

修学旅行シーズン真っ最中

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 更新が滞っています。申し訳ないなとは思うのですが、私も修学旅行関連業務に係る身。日々日本の高校生のお世話に追われる状態で、睡眠や食事などプライベートはかなり犠牲にせざるを得なくなってます。
 それにしても9月下旬から12月下旬は日台双方の学期スケジュール上、そして台湾の気候でも確かにベストシーズンなんですが…ちょっと、いやかなり集中しすぎなんじゃないですかね?故宮博物院九份にあふれるバスと制服姿の生徒。すでにオーバーキャパシティだと誰もが思うのですが、まだまだ台湾側は日本の修学旅行を誘致するつもりですから、もうちっと分散させてよとお願いしたいです。バスも現地ガイドも足りない状態が続いています。そうするとバスもガイドもいろんなところからの寄せ集めとなるのですが、修学旅行は基本的にみな横並びに同じサービスを同じレベルで提供することがもとめられますので、同じ学校担当同士での「サービス競争」は慎まなければいけません。バスドライバーもいかに他車を出し抜き早く目的地につくかなんて考えてはいけません。されどそれがなかなかできないのも修学旅行の秋集中の弊害でしょう。

故宮博物院のカバン持ち込み制限の再訂正

 朝令暮改故宮博物院
 リュックの持ち込みについて、A3サイズまで持ち込み可能になったのに、一ヶ月足らずで「A4サイズ」と改めました。ご注意ください。

※2018年4月現在、幼児の小さなサイズのリュック以外、背中で背負うツーストラップのリュック類は持ち込み不可です。


 ここから先は日本の旅行社関係者が見ていてくだされば知っておいていただきたい変更点(10/22以降)です。3名以上の団体に義務付けられているヘッドホンシステムですが、従来は日本で人数を多めに見積もって予約し、当日実際人数に減らして調整することが多かったです。しかし今後は旅行社とガイドの持ち点制に移行します。実際より5台以上多く予約し当日その分をキャンセルした場合、ポイントが旅行社・ガイドそれぞれの持ち点から差し引かれるのです。持ち点がゼロになれば借りられなくなり業務に支障をきたす恐れが出てきます。ですので申し込み人数は丼勘定でなく正確にお願いします。

B&Sプログラム

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台湾の日本語学科の大学生のお兄さん(Brother)とお姉さん(Sister)一人が日本の高校生数人を連れて市内観光をするのがB&Sプログラムです。なか日の半日〜全日の間、学生・生徒だけで行動します。大学生は大学の講義やテキストからだけでは学べない生の日本語に触れ、ほぼ同世代の若者の口語の喋り方、流行語も習得ができる。日本の高校生も、歳の離れた現地ガイドのオジサンオバサンより、日本語はたどたどしいが、感性の近いお兄さんお姉さんから言葉だけでなく、台湾の若者の生活ぶりや考え方、台湾における日本語の必要性といったことを勉強することができます。初めの顔合わせではぎこちなかった彼らも、たった半日でもすっかり打ち解け、集合場所に戻り記念撮影してじゃお別れとなると、思わず泣き出してしまう生徒が男女問わず出たりして、現地ガイドさんがヤキモチ妬くほど。学校交流と並んで一番の思い出となるようです。
 この素晴らしい体験を有意義にするために、気をつけていただきたいこともいくつかあります。まず健康。毎回体調を崩し最初から不参加、あるいは途中で離脱と、大学生にも仲間にも迷惑をかけてしまう生徒が出ています。それから迷子。ガイドと違って何人もの人を連れて歩くのに不慣れな大学生もいます。離れてウロチョロしていてみんなとはぐれた、買い物とかトイレで黙って離れてみんなを見失ったというケースもあります。少しでも離れる時は必ず大学生にいいましょう。あと皆さんだって中国語は満足にできないのに大学生の日本語の発音を笑ったり真似するのはやめましょう。間違え表現を正す、あるいはうまく日本語で言い表せない時、それを汲み取って正しい日本語で教えてあげるのは彼ら彼女らにとって有益なので、ぜひ大学の先生になったつもりで教えてあげてください。
 大学生側からの苦情でよく聞くのが、このプログラムは観光・見学がメインのはずなのに、ただ高校生のお買い物に付き合わされるツアーになってしまったというものです。お土産買う時間は別にちゃんと取っているのですから、ここは本来の目的に徹してほしいです。最悪のケースは最初から箱モノのお土産を両手いっぱい買ってしまって重い〜疲れた〜早く帰りたい〜などと大学生を困らせるもの。コインロッカーだって数は少ないし、高校生にとって決して安いものではありません。
 プログラム中の大学生の交通費、食費、入場料等の経費は高校生持ちというケースがあります。大学生にMRT一日券を配ることもあります。また大学生が一律立て替え事後精算の場合もあります。食費が高校生持ちなら、大学生は遠慮してあまり高いのを頼めないものです。ここは高校生側が世話になった大学生に要らぬ気遣いをさせず、好きな物を注文してもらうようにすべきです。