台湾旅行ランキングへ

台湾修学旅行

台湾に修学旅行に行くことなったらゼヒ知っておいていただきたいことを台湾現地からお伝えしていきます

十分

f:id:tw_shugaku:20180611215633j:plain

 十分(シーフェン)は九份と並んで人気の台北東郊の観光地です。平渓線というローカル路線の途中駅で単線のこの路線の電車が行き違いできる唯一の駅が十分車站(駅)です。

 ここには十分瀑布という有名な滝もあるのですが、アクセスがやや不便なのでほとんどの団体が駅前商店街での天灯上げのためだけにやってきます。

 f:id:tw_shugaku:20180611220351j:plain

 天灯は紙と竹で作られた大きな提灯のようなものです。願い事を書き込み、油を染み込ませた紙を下部にくくりつけ点火、内部の空気をあたため膨らませて空高く打ち上げることができれば書いた願いが叶うとされ、本来は旧暦正月十五日の元宵節に人々の安寧を祈願して打ち上げるものでしたが、今や国内外の観光客が毎日朝から夜まで打ち上げを行っています。小雨でも実行可能ですが、風が強いと中止になる場合もあります。
 
 日本ではなかなかできない体験で、仲間との共同作業で思い出作りにはピッタリのイベントということで修学旅行に取り入れる学校さんが増えています。天灯上げは大きく分けて2種類あります。「一斉打ち上げ」と「個別打ち上げ」です。元宵節イベントで夜空に何十何百の天灯を同時に打ち上げる映像が有名ですがイメージとしては近いです。修学旅行では昼間に上げることが多いです。昼は紙の様々な色が青空に映えてきれいです。一斉の場合は別途割り増し料金を払い、小学校の敷地や駐車場を貸し切り、あらかじめ天灯をすぐ書けるよう用意してもらい、願い事を書き込み終えたら多くのスタッフやボランティアの協力の元、火を点け、合図とともに一斉に打ち上げるというものです。対して個別打ち上げは線路脇にセッティングした天灯に願い事を書き終えた順に線路上で打ち上げるというものです。

 最後に注意とアドバイスを。天灯は4面あります。ですから書くのは4人で1個が基本です。台湾に来る前からグループ分けをしておきましょう。天灯は最初はキャスター付き布団干しのようなスタンドに畳んで吊るしてあります。筆記用具はスタンドに付いている缶に墨汁と一緒に入っている毛筆か、油性ペンです。どの学校さんもスケジュール上、その場でグループ分けしたり書く内容をじっくり考える余裕などありません。書きたい内容はあらかじめ決めておきまず前後2面同時進行で書き進めます。終わったらスタッフに頼み、面を返し左右の面を後の二人が同時進行します。一斉打ち上げならそのまま待機、個別打ち上げなら手を挙げて書き終えたことをスタッフに知らせ打ち上げ場所に行きます。これが平渓線の線路上ということが多いのです。日本ですと線路侵入で写真を撮った日にはどこかの元アイドルのように批判されがちですが、ここ平渓では当たり前の光景です。電車は1時間に上下1本ずつしか来ませんが、電車が商店街を通過する瞬間に立ち会えたらラッキーです。カメラを構えて通過を見届けましょう。電車が近づくと、見張りがホイッスルを鳴らしますので、天灯上げは一時中止です。線路脇に退避してください。電車が行ってしまったら再開です。個別に天灯を打ち上げる時は代表で1台、カメラかスマホをスタッフに預けてください。彼らが打ち上げの全工程を撮影してくれます。たまに4人誰も持ってないということもありますのでクラスメートか先生に撮ってもらいましょう。点火後合図があったらみな同時にパッと手を離してください。一人だけ遅れたりすると、傾いて側面に燃え移り→炎上→墜落→願い事パー。といった事態になりかねません。風が強い日はよその天灯が燃えた状態で落下してくることがあるので、周囲に気を配りましょう。墨を使う場合、手に付いたものは洗面所で洗い流せますが、制服につくと厄介なので気をつけてください。打ち上げ終了後自由行動になったら、手を洗う、ミニチュア天灯を買うなどします。ミニチュア天灯はあらかじめおめでたい言葉が何種類も書かれていてお守りになっており、物によってはLEDで光るのもあります。きっと良い旅の記念になることでしょう。

 ※2019年(令和元年)6月追記。

  従来、十分での天灯の打ち上げは、平渓線の線路上で行うのが普通でしたが、今年に入ってから地元警察の取締が厳しくなり、警察の巡回がある時は線路上でなく、線路脇、もしくはお店の裏庭で打ち上げるようになりました。