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台湾修学旅行

台湾に修学旅行に行くことなったらゼヒ知っておいていただきたいことを台湾現地からお伝えしていきます

現地ガイドのモチベーションに影響するもの

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 この修学旅行ハイシーズン、受け手となる現地旅行社のスタッフ、ガイド 、ドライバーみな疲労しています。そりゃあそうでしょう。ガイドさんたちなどは平均4日間、朝早くから夜遅くまで、言うこと聞かない生徒相手に大声張り上げて、ずっと家に帰れず外泊連続、一つの学校を終わったらそのまま空港で次の学校を受けることもあるそうですから疲れないはずがありません。

 台湾のガイドの仕事は大変薄給で、割に合わないきつい仕事を嫌い、若いガイドが大量に辞めたことも数年前にありました。以前は高校生に近い年齢の20代〜30代前半の若いガイドが修学旅行応対の中心を担っていましたが、いくら若く体力があるといっても安い給料でこき使い、添乗員や教師たちの無理難題を押し付けられたら若くないガイドでもそりゃアウトバウンド(台湾人客を日本に連れていく添乗業務)に鞍替えしたくなります。ということで今は修学旅行でも60歳以上のガイドが付くのは普通です。体力的にきつくなるのも道理です。

 きつい仕事でも励みになることがあります。そのツアーでの両替やショッピングです。不当に安い賃金を補うもの。これらがガイドの成績として評価の対象となる。いわばガイドのモチベーションの源泉です。最近はこれを日本の送客旅行会社が事前両替(台湾での両替レートよりずっと悪い)したり、出発前にお土産のカタログ販売を行ったりするなど、ガイドにとって恩恵がない団体も見受けられます。これで出迎えの空港から仏頂面するな、愛想よく笑えと言われても乾いた笑いしか出ないと言います。「生徒に現地両替を体験させたい」といって、空港や町中銀行で生徒をウジャウジャ並ばせ、ほかの観光客や利用者の顰蹙を買い、ドライバーも待たせ、ガイドには時間の浪費と利益の奪取という二重苦を味わわせるといったケースもありました。また、日程に「ショッピング」とあっても現地旅行社指定店舗でなく地元スーパーにガイドに案内させるという全く空気の読めない、現地ガイドの感情を踏みにじる団体も実際にありました。せっかく旅行社指定のお店に行っても、「ここは高いからお土産は自由行動のときに買えー」と大声で邪魔する先生がいました。そういうお店でもパイナップルケーキは有名ホテルのよりも安いですし、夜市の廉価な紛い物より来歴のしっかりした物を日本語でちゃんと説明した上でお買い求めいただけます。また(回転率がいいため)常に新しい物を買えるので、賞味期限切れをつかまされることもありません。

 ガイドも人間です。いくらサービス業といっても、相手がお客様だとしても、人間はひどいことをする相手、利益をもたらさず不利益ばかり与える相手に笑顔を振りまき、一生懸命奉仕しようと思うでしょうか?ガイドがずっと不機嫌で愛想がない。バスでろくに案内もしてくれない。時間に異常に厳しく1分の遅刻も許されない。生徒が交通量が多い道路の横断歩道を渡ろうとしてるのに誘導もしてくれない。こういうことが起きているなら、ガイド個人の素質素養、旅行社の管理体制を疑う前に、あなたの学校のスケジュールがガイドにひどい仕打ちとなっていないか検討してみる必要があると思います。

 ガイドだってちゃんと常識的な収益さえ確保されていたら、気持ちに余裕を持ってにこやかに生徒たちに応対できます。元々「民間外交官」を自負するガイドたちです。日本の未来を担う若者に台湾のことを知っていただくために熱弁をふるってくれることでしょう。それでも生徒たちがずっとおしゃべりばかりでガイドの話を聞いてなかったりすれば、それもまたモチベーションを引き下げる要因となります。生徒、先生、添乗員そして現地スタッフみんなで思い出深い素晴らしい修学旅行を作っていきましょう。